健康一口メモ5月号『早期発見には胃内視鏡検診を』を掲載いたしました
37,867人。2024年度に胃がんで亡くなった方の数です。ようやく減り始めたものの、まだまだ胃がんは日本人に多いがんです。
胃がんは早期発見できれば、根治できる病気です。がんが粘膜内にとどまっている超早期であれば、開腹手術ではなく、口からの内視鏡による治療で根治できる場合がほとんどです。
早期胃がんには症状がないため、無症状のうちに胃がんは進行していきます。症状が出てから発見される胃がんの多くは進行胃がんであり、開腹手術や抗がん剤治療など高額で体の負担の大きな治療が必要となります。さらに腹膜や肝臓などに遠隔転移すると根治できる可能性はほぼなくなります。症状のないうちに検診を受けることが必要なのはそのためです。
早期発見には上部消化管内視鏡検査が有用です。内視鏡で直接観察するため、小さな病変やわずかな変化しかない病変を発見できます。がんが疑われた場合、その場で組織を採取して病理検査に提出することもできます。
胃がんの検診にはバリウムを使用する胃X線検査という方法もありますが、胃X線では早期胃がんの半数近くが見落とされます。放射線の被曝という問題もあります。稀ですが、検査台からの転落による骨折、バリウムによる腸閉塞、バリウム誤嚥による肺炎など重篤な合併症の報告もあります。
安全で精度が最も高いのが内視鏡検査です。実際に伊奈町で行われた胃内視鏡検診で過去5年間に発見された7例の胃がんは全て早期胃がんであり、開始して以来これまで大きな合併症はありません。
胃カメラは苦しいというイメージがあると思います。市町村で行われる対策型健診としての胃内視鏡検診では鎮静剤を使用できませんが、鼻やのどを十分に局所麻酔することと、内視鏡機器の改良により高精度な検査が以前よりも楽に受けられるようになっています。
50歳以上で内視鏡検査を受けたことがない方はぜひ胃内視鏡検診を!