健康一口メモ7月号『胃カメラとバリウム どっちがいいの?』を掲載いたしました
健康診断や検査で胃カメラやバリウム検査をすすめられたことがある方も多いのではないでしょうか。どちらも食道・胃・十二指腸の病気を見つけるための検査ですが、どちらがおすすめか、結論から先にお伝えしますと胃カメラです。
胃カメラのほうがなぜ良いのか?
一番の理由はシンプルに早期がんの検出率がバリウム検査と比べて高いことにあります。
バリウムは影を見ているため質的診断が難しく、その点胃カメラは高画質のカメラで直接表面の構造を見ることが出来るため、微細な異常に気づくことが出来ます。加えて、胃カメラには光の色調を変える機能があり、短い波長の青い光にすることで粘膜表層(ねんまくひょうそう)の毛細血管(もうさいけっかん)が強調され腫瘍(しゅよう)かどうかの評価をすることも出来ます。怪しいと判断した場合にはその場で組織を取り、確定診断までつけることが出来ます。
また、偶発症(ぐうはつしょう)のトラブルが少ない点も胃カメラの良い点です。
バリウム検査では放射線被曝(ほうしゃせんひばく)があること、バリウムが腸管に残ることで腸閉塞(ちょうへいそく)や虫垂炎(ちゅうすいえん)を引き起こすことがあります。他にもバリウムが肺に入ってしまう誤嚥(ごえん)や、検査時の体位変換(たいいへんかん)による転倒などもあります。
胃カメラの場合には接触による出血などもありますが、大出血に至ることはまずありません。オエっとすることもありますが、鼻から胃カメラをいれることで嘔吐反射(おうとはんしゃ)を軽減できたり、また、鎮静剤を併用することで眠っている間に受けることもできます。
どちらがオススメ?
結論として、詳しく調べるためには胃カメラのほうが優れています。
胃の健康を守るためには、定期的な検査が大切です。どちらの検査も大事ですが、より詳しく調べたい方は、ぜひ胃カメラを検討してみてください。