健康一口メモ8月号『膝(ひざ)関節半月板損傷』を掲載いたしました

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病態
 膝(ひざ)関節は大腿(だいたい)骨、脛(けい)骨、膝蓋(しつがい)骨という骨でできています。この大腿骨と脛骨のあいだにある三日月型をした軟骨の板が半月板です。内側と外側にあり、大腿骨から脛骨へかかる体重をやわらげるクッションの役目をしています。膝関節に体重がかかった状態で膝関節にねじれが加わると半月板が損傷することがあります。スポーツやけがによって損傷が生じる場合と、加齢に伴い半月板が弱くなり日常生活動作などで損傷する場合もあります。10歳以下の小児の半月板損傷は、通常よりも大きくて厚い半月板(円板状半月板)の損傷によるものがあります。
症状
 損傷した半月板の部分に痛みと腫れがあり、膝が動きにくくなります。痛みは階段の上り下りやしゃがみ込みによって生じることがよくあります。膝に水がたまったり、急に膝が曲がらないあるいは伸びないようになる(ロッキング)こともあります。
診断
 半月板損傷を疑った場合、画像の検査をします。レントゲン写真では骨の変化を見ます。半月板はレントゲン写真では写らないのでMRI検査を行います。
治療
 症状が軽い場合、保存療法を行います。損傷してすぐの場合は、安静や挙上、アイシングなどを行います。装具やギプスによる固定、松葉杖によってあまり体重をかけないようにすることもあります。痛みに応じて消炎鎮痛薬のはり薬、飲み薬を使用します。症状が軽快してくれば、筋力訓練や可動域訓練(動かす練習)を行います。
 症状が重い場合、動きが極端に制限されている場合、保存療法でも症状が軽快しない場合、手術を行います。手術は全身麻酔あるいは腰から下半身の局所麻酔を行い、関節鏡というカメラを膝関節に入れて半月板を観察します。半月板が断裂している場合は、断裂した部分を切り取る切除術か、断裂した部分を縫い合わせる縫合術を行います。術後のリハビリテーションの期間は手術法によってことなります。