健康一口メモ3月号『CKD(慢性腎臓病)』を掲載いたしました

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 腎臓は老廃物や毒素を尿から体の外に出すという大切な働きをしていますが、この他にも血圧の調節や骨を丈夫にする、貧血にならないようにするといった役割ももっています。
 CKDは腎臓の働きがゆっくりと悪くなる病気を指し、慢性腎臓病ともいいます。いったん腎臓の働き(機能)が悪くなると元には戻らず、また、悪くなっても本来の機能の10%くらいに落ちてしまうまでは症状がほとんどないため気づかれにくいという特徴もあります。腎機能が10%以下になると全身がむくんだり、だるくなったり血圧が高くなるなどの症状があらわれて命の危険にもつながります。
 現在はこのような腎不全になっても「透析」という人工腎臓のような装置を使うことができるので命の危険はありません。しかし、血液透析の場合、1回4時間、週3回の治療を一生受けなければいけません。これは本人にとっては大きな負担です。またその手前の段階のCKDでも心臓に悪い影響を与えてしまいます。
 全世界で慢性腎臓病が増えており、今後も増えることがわかったことから2002年にCKDという言葉が作られました。CKDは慢性腎臓病の英語の略語ですが、こちらの方が覚えやすいというわけです。我が国でもCKDという言葉がよく聞かれるようになりました。特に透析治療は医療費がとてもかかるため国が本気になって対策に乗り出しています。
 CKDは尿検査でタンパクが検出されるか、血液検査で腎臓の働きが落ちていないかを調べることで診断されます。日本では成人の7人に1人がCKDと言われています。そのほとんどが軽症ですがなるべく早く治療を始めることが将来の腎機能悪化予防の唯一の方法です。ちなみにCKDの原因の代表的なものが糖尿病で、高血圧によるものも増加しています。検診などで指摘された場合には決して放置せずなるべく早くかかりつけ医に相談することを強くお勧めします。CKDという言葉、覚えおいてください!