健康一口メモ7月号『ダニ刺傷について』を掲載いたしました
毎年、5月連休が終わると、虫さされ(刺虫症)の患者さんが現れ始めますが、今年は、4月より早くも、何かの虫に刺されて、痒みを訴えてみえる患者さんが多くみられる様な気がします。イエダニやトリサシダニなどによる被害も、刺されている場面をまず見ることが出来ません。ネズミやスズメなどの巣から出てきて、人が寝ている間に衣類のすき間に入り込むようで、体幹や四肢に「紅色(こうしょく)丘疹(きゅうしん)」が認められることが多いです。刺された(触れた)直後から1時間以内に痒みが出現し、搔(か)きまくって、市販薬をつけた後、医院(皮膚科)を受診される事になると思います。虫と言えば夏と思われがちですが、そうとは限りません。現在、日本では、高齢者だけでなく、若者もベッドを使用する事が多いと思われますが、皆さん、掃除をしていますか?マットレスの下に、ダニ予防パットを敷いたり、寝具類を日光に当てる事が必要だと思われます。刺された後の皮膚反応自体に個人差があることや、同じ部屋で生活していても刺されない人もいることから、家庭内に同じ症状の人がいなくても、刺虫症を否定する根拠にはなりません。ペットからの感染やベッド上に置くたくさんのぬいぐるみ(マスコット)などの管理に気をつけて頂きたいと思います。治療は、症状(主に痒み)に個人差がありますが、抗ヒスタミン剤やステロイド剤の外用薬、抗アレルギー剤の内服が使われます。マダニ刺症では、患者の体に虫がついて来院されるものですが、ツツガムシ病、日本紅斑(こうはん)熱(ねつ)なども知られていて、田畑や庭木や草花に触れる機会が多い方々には、たかが虫さされといっても油断できません。痒みの軽いうちに、治療を開始し、「痒疹(ようしん)」にならない様に、皮膚科を受診される事をおすすめします。