健康一口メモ6月号『本当は怖い骨粗鬆症の話』を掲載いたしました

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 「骨粗鬆症」と聞くと皆さんはどのような印象を持ちますか?「お年寄りの病気」、「女性がなる病気」、「背が低くなる」など、人によってイメージはまちまちだと思いますが、「生命予後に関わる重大な病気」と考える方はあまりいないのではないでしょうか?もちろん骨粗鬆症で直接亡くなることはまずありませんが、それによって起こる状態によっては「生活の質」、「生命予後」が大きく変化してしまうのです。
 骨粗鬆症が大きく関係する骨折が4つあります。症状としては1)腰曲がり、身長低下2)股関節の骨折、3)肩の骨折、4)手首の骨折です。それぞれ転倒で起こることが多いのですが、1)は重いものを持って起こることもあれば、いつの間にか進行していることもあります。これらの問題点は、それぞれが生活の質を大きく落としてしまう可能性があることです。背骨が曲ると前屈みになり転倒しやすくなりますし、また逆流性食道炎という胃腸の病気にもなりやすくなります。股関節の骨折では歩行能力が落ちてしまい、活動範囲が狭くなりますし、肩の骨折では衣類の脱ぎ着やトイレ動作にも支障が出てしまいます。また、手首の骨折は握力の低下を起こしてしまいます。それぞれ、短期的には命に関わらないと思うかもしれませんが、生活の質が落ちることは結果として寿命を縮めてしまうことに繋がります。
 現在はたくさんの薬が開発され、以前では望めなかった成果が出るようになっています。でも、本当は薬で骨粗鬆症を治すのではなく、骨粗鬆症を未然に防ぎ、ひどい骨粗鬆症を起こさないことが大切です。日本人の寿命が伸びている中、骨粗鬆症を完全に無くすことはできませんが、骨粗鬆症への進行を遅らせることにより、健康で楽しい人生を送る一助になることは間違いありません。高齢者だけでなく、比較的若い女性や男性でも起こっていることがありますので、ご自身の骨密度に関心を持っていただくと良いと思います。