健康一口メモ12月号『爪白癬(つめはくせん)について』を掲載いたしました

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爪を見たときに白く濁っていたり厚く脆(もろ)く変形してきているようなら爪(つめ)白癬(はくせん)の可能性が高いでしょう。
カビ(真菌)の一種、白癬菌感染による疾患で、爪(つめ)病変部(びょうへんぶ)の組織を鏡検もしくは培養し確定診断されます。日常的に爪が蒸れた環境下におかれていたり、靴による圧迫等で慢性的に外傷を受けている状態が発症の契機につながります。足(あし)白癬(はくせん)から続発するケースも多く、一度感染すれば難治であるためできるだけ早期に治しきることが肝要です。
治療としては数年前に従来の薬剤より効果の高い内服薬がでました。他薬剤との併用も問題なく、副作用も少なくなっている印象があります。ただ感染から長期間経過し重症化してしまうと完治しづらくなってしまいます。
類似の症状を呈する疾患に爪カンジダ症があり正しく診断されないとカビの薬には白癬菌しか効かないものもあるので注意が必要です。また誤診されやすい疾患として感染とは別の原因で生じる、爪甲鉤弯症(そうこうこうわんしょう)、乾癬(かんせん)、苔癬(たいせん)といったものが挙げられます。
ほぼ自覚症の無い爪(つめ)白癬(はくせん)は、重度になるまで放置されやすい病気ですが、爪を見ておかしいと感じたら、手遅れになる前にすぐ専門医へかかることをお勧めします。