健康一口メモ11月号『良性発作性頭位めまい症』を掲載いたしました

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 良性発作性頭位めまい症では、じっとしている時には起こりませんが、頭を動かした時にグルグル回るようなめまいが起こります。まためまい以外に耳の症状が伴わない事も特徴です。じっとしていれば1分程度でおさまりますが、そこから動くことによってまためまいが起こるため、めまいを繰り返すことも特徴となります。
 良性発作性頭位めまい症の原因は耳の三半規管にある「耳石」です。耳石は体の動きを認識する感覚細胞の上に固定されており、体が動いたり向きが変わったりする事で耳石が動かされ、その耳石が感覚細胞を刺激する事で体の動きを認識します。良性発作性頭位めまい症ではこの本来の位置から外れてしまった耳石によって、誤った体の動きの情報が送られてしまい、めまい症状を引き起こします。誤った情報が繰り返し脳に送られることで、脳が誤った情報だと早く認識することができますので、頭を動かさないようにするよりはなるべく頭を動かしていた方が結果として早く症状が改善します。
 良性発作性頭位めまい症の治療には症状に合わせての抗めまい薬や耳の循環改善薬、ビタミン剤などが処方されます。まためまいが起こるのではないかという不安感・恐怖心が強い方には抗不安薬や睡眠導入薬を使用することもあります。
症状が落ち着いた段階で治療は不要となりますが、その後再発を繰り返す可能性のある病気でもあり、繰り返さないようにするためには日頃から積極的に頭を動かした方が良いでしょう。
 良性発作性頭位めまい症の多くは数日で自然に軽快するので、症状がさほど強くなければそのまま様子を見ていても問題ありませんが、症状が強ければ耳鼻科への受診をおすすめします。また、めまいの中には脳が原因で起こっているめまいもあり、こちらは命に関わる可能性もありますので、手足の痺れや脱力・呂律が回らないといった症状があるような場合は急いで受診するようにしてください。