健康一口メモ9月号『更年期障害』を掲載いたしました

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 卵巣は、女性の下腹部、膀胱の裏側にある子宮のさらに裏側に左右1個ずつある親指大の組織です。卵巣は、赤ちゃんのもとになる卵子を育てたり、女性ホルモンを分泌する器官です。
 卵巣は、早ければ10歳、遅くとも18歳までには初潮を迎えその後活発に働き女性の体調管理をしてくれます。思春期、成人、出産、育児を経てやっと一段落したころ、だいたい45歳前後からでしょうか?気がつくと、顔がほてったり、寝汗をかいたり、イライラしたり、動悸、めまい、肩こり、やる気がなくなったり、眠れなかったり、といった様々な症状が出てくることがあります。これら様々な不定愁訴の原因が、卵巣の機能の低下に関係する場合があります。これを更年期障害と呼びます。昨今40代50代の働き手の女性の10人に1人がこのような症状に悩まされ相談口もなく退職する道を選んでしまいます。更年期離職と呼ばれ、年間4200億円の経済損失となっています。
 さて、このような更年期障害は、ホルモンのバランスの低下により起きるので採血等の検査では確定ができません。あくまでもみなさんの臨床症状から推測する病なのです。
 治療法は、漢方薬や精神安定剤のような対症療法からホルモン療法とさまざまですが、一人で悩まれることなく産婦人科を受診され適切な治療を受けることをおすすめします。是非子宮がん検診とセットでお受けになってみてください。また、ホルモン療法といわれると副作用の点から敬遠される方が多いのですが、定期的な採血や乳がん検診を受けることで安心して使用が可能です。また、剤形も飲み薬以外にも近年は、塗り薬、貼り薬等いろいろありますのでみなさんの状態に応じた治療が可能です。
 更年期障害を含め月経によるトラブルは女性がだれでも長年にわたり経験するストレスの一つです。快適なライフスタイルをストレスなく過ごせるよう遠慮なく産婦人科医に相談していただくことをおすすめいたします。